妊娠高血糖症とは?血糖値が高い母子へのリスクとは?

妊婦検診で「尿糖が出た方」や、その後の血液検査で「血糖が高いと診断された方」はいらっしゃいませんか?

検診の前に、ごはんやジュース、お菓子などを食べた場合、血糖値が高くなってしまうことがありますが、空腹時に行った検査でも血糖値が高い場合は、注意が必要です。

「血糖」というのは、「血液中のブドウ糖濃度」のことですが、ブドウ糖は、ママの体やおなかの赤ちゃんの成長に欠かせない大切な栄養素です。

しかし、血液中のブドウ糖が多すぎる場合(=血糖値が高い)は、妊娠や出産にリスクが伴ったり、生まれてくる赤ちゃんの健康を害する危険が高まります。

妊娠中は、非妊娠時と違い、血糖値が高くなりやすいのですが、だからと言って妊娠中の高血糖を放置しておくのはよくありません。

高血糖が長く続くと、妊娠糖尿病へと進行し、さらには本物の糖尿病になってしまうかもしれないのです!

今回は「妊娠中の高血糖症の原因」と「高血糖が与える胎児への影響」についてご紹介していきます。

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妊娠高血糖症?妊娠中の高血糖の原因は?

妊娠中は、定期的に妊婦検診が行われますよね?

妊婦検診で行われる尿検査で、数回にわたって「尿糖」が出た場合、詳しい「血液検査」を行うことになります。

妊娠中の空腹時の血糖値の正常値は「100mg/dl」ですので、空腹時の血液検査で、血糖値が100mg/dlを超えていたら「高血糖症」が疑われます。

高血糖症とは「血液中のブドウ糖濃度が高すぎる状態」のことを言います。

血液検査で高血糖症が疑われた場合は、さらに「75gブドウ糖負荷検査」を行い、妊娠糖尿病かどうかの診断が下されます。

妊娠中の高血糖症の原因をご存じですか?

通常、食後に血糖値が上がると、血糖値を上げ過ぎないように、膵臓からインスリンが分泌されます。

このインスリンの働きによって、体内の血糖値は正常値に保たれています。

妊娠中は、胎児の成長を促すためのホルモンが分泌されるため、通常よりも血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)を高くしようと働きます。

このホルモンによって、妊娠中はインスリンの分泌が抑制されてしまうのです。

そのため、通常よりも多くのインスリンを分泌しないと、血糖値を正常に保つことができず、血糖値が高い状態が続いてしまいます。

これが、妊娠中の高血糖症の原因です。

健康な妊婦さんであれば、胎盤から出るインスリン抑制ホルモンを上回るインスリンが分泌されますので、血糖値をコントロールできるのですが、インスリンの働きが悪い方の場合、血糖値が下がらず、高血糖症や妊娠糖尿病となります。

このほか、血糖値が高くなりやすいのは、食生活にも原因があります。

血糖値を上げやすいのは、炭水化物です。

例えば、白米、パン、パスタ、麺類、いも類などを食べ過ぎていると血糖値が高くなります。

また、アイスクリームやチョコレートなどのお菓子全般、ジュース、果物、ドライフルーツなども血糖値が上がります。

食欲にまかせて食べ過ぎていたり、赤ちゃんのためと言って二人分の食事をしてると、血糖値が高くなってしまいますので気を付けましょう。

食事の時間が不規則だったり、疲れや寝不足、ストレスが溜まっていると、血糖値が上がる原因となりますので、働いている妊婦さんは特に気を付けて下さい。

さらに、肥満気味の方、高齢出産の方も要注意です。

家族に糖尿病歴がある方は、インスリンの分泌が悪い体質や、インスリンが分泌されていても効きにくい体質を持っている可能性がありますので、妊娠糖尿病のリスクが高いと言われています。

現在では、妊娠糖尿病の方は、妊婦さんのうちの12%程度と言われており、糖尿病と同様に、増加傾向にあります。

妊娠糖尿病は、「妊娠前から糖尿病だった方」とは区別されていますので、血糖値のコントロールが必要な妊婦さんの数は、さらに多いということになりますね。

(「妊娠糖尿病と診断される血糖値の数値とは?」に関連記事を書いています。)

妊娠中に血糖値が高いとどうなる?母体へのリスクは?

妊娠中に血糖値が高いと、どのようなリスクがあるのでしょうか?

妊娠中の高血糖の「母体」へのリスクには

・流産

・早産

・先天奇形

・妊娠高血圧症候群

・羊水過多症

・巨大児になると難産

・糖尿病網膜症(視力低下、かすみ目、最悪の場合失明)

・糖尿病性腎症(腎臓の機能が低下)

・将来的に糖尿病を発症する率の上昇

などがあります。

血糖値が高いというのは、なかなか自覚しにくいのですが、高血糖の状態が続くと体に様々な悪影響を及ぼすということです。

高血糖の症状としては、のどが渇いて大量の水分を欲したり、トイレの回数が増えたり、だるい、疲れやすい、眠い、などがありますが、これらの症状は妊婦さん特有のマイナートラブルと似ているため「気付きにくい」という問題があります。

妊娠中は定期的な検査がありますので、高血糖を見逃さないよう、定期検診は必ず受けるようにしてくださいね。

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妊娠中の高血糖が及ぼす胎児への影響は?

妊娠中の高血糖は、母体の健康を損なうだけではありません!

胎盤を通じて、ママの血液とお腹の赤ちゃんの血液はつながっています。

そのため、ママの高血糖はお腹の赤ちゃんにも悪影響を与えてしまうのです。

胎児への影響はこちらです。

<奇形>

妊娠初期の、胎児が形成させる時期にママが高血糖であると、胎児の形の異常の原因となります。

<巨大児>

ママが高血糖であるということは、赤ちゃんも高血糖であるということです。

そのため、赤ちゃんが育ちすぎてしまい、巨大児となる可能性があります。

巨大児になると、出産時に赤ちゃんの肩が出て来づらくなり、鎖骨が骨折してしまうことがあります(肩甲難産)。

巨大児の場合、難産になるリスクが高くなるため、赤ちゃんにとっても苦しい出産となります。

一方、もともと糖尿病を患っていた方が妊娠した場合は、赤ちゃんが十分に育ちにくいというリスクがあります。

なぜなら、高血糖によって血管がダメージを受けていた場合、胎児へ十分な栄養を送ることができないからです。

<胎児死亡>

高血糖は、血管にダメージを与えます。

そのため、胎盤の血管にもダメージを与えてしまい、赤ちゃんへ必要な栄養を届けられなくなる可能性があります。

赤ちゃんに十分な栄養が行かなくなると、赤ちゃんが死亡することもあります。

<低血糖>

胎児のうちに高血糖が続くと、胎児のインスリンの分泌が過剰になり、出生後に低血糖を起こすリスクが高まります。

<合併症>

出産後に、黄疸、心臓肥大、呼吸障害、低カルシウム血症、多血症、高ピリルビン血症、発育遅延などの合併症を引き起こすことがあります。

<糖尿病のリスク>

将来的に、肥満、生活習慣病、糖尿病になるリスクが高まります。

このように、妊娠中の高血糖は、胎児へ様々なリスクを与える可能性があるのです。

だからと言って、がっかりしないで下さい!

血糖値のコントロールは、あなた自身でできるのです!

妊娠中の血糖コントロールをしっかり行うことで、妊娠糖尿病でも健康な赤ちゃんを産んでいる方が、たくさんいらっしゃいますよ!

妊娠中の高血糖の治療法は?

妊娠中の血糖値をコントロールするには、まずは食事療法を行います。

血糖値を上げやすい炭水化物を控え、食事の時間や栄養バランスを考えた食事療法を行います。

食事療法だけで改善できない場合は、インスリン療法を始めます。

飲み薬は赤ちゃんへの影響がありますが、インスリン注射は赤ちゃんへ移行しないため、安心して治療を続けることができます。

高血糖による胎児へのリスクを回避するには、妊娠初期の早いうちから、血糖値のコントロールを始めなければなりません。

そのため、妊娠が発覚したら必ず定期検診を受けるようにし、血糖値検査で異常が見つかった場合は、個人病院や助産院ではなく、総合病院などに転院することをお勧めします。

(「妊娠中の血糖値が高いときの食事療法は?」「妊娠糖尿病でもおやつが食べたい!お勧めのおやつレシピは?」「妊娠中の血糖値が上昇!インスリン開始の数値は?」に関連記事を書いています。)

まとめ

妊娠中の高血糖のリスクを知ると、血糖のコントロールがいかに大切かがわかりますね。

万が一、母子ともに健康に出産を迎えられたとしても、将来的に糖尿病になるリスクが上がることは避けたいものです。

血糖値は自分でコントロールすることが可能です。

食事管理、血糖値の測定、インスリン注射など、ちょっと面倒ではありますが、将来に渡って健康を維持するためにも、前向きに取り組んでいきましょう!

これから先、赤ちゃんを育てるために「ママの健康」は欠かせません。

今から食生活を見直すことは、家族の健康を守ることに繋がりますよ!

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