妊娠中の血糖値が上昇!インスリン開始の数値は?

妊娠糖尿病を発症する妊婦さんは、10人に1人くらいの割合でいらっしゃいます。

妊娠糖尿病の原因は「妊娠」そのものですので、ご自身の力で防ぐことはできません。

妊娠糖尿病になってしまったら、無事に出産を迎えるまで、食事や運動で血糖値のコントロールをしっかり行っていきましょう。

しかし、食事や運動に気を付けていても、血糖値が高い状態が続いてしまう場合、インスリン治療が行われます。

「インスリン治療」とは、1日に数回程度、食事の前後などにインスリンの注射を打つ治療法です。

インスリンの注射は、飲み薬と違って、赤ちゃんへの危険性が少ないため、妊娠中でも安心して使うことができるそうですが、「注射なんて痛そう・・・」と不安ですよね?

いったい、血糖値がどれくらい高くなったら、インスリン治療を開始しなければならないのでしょうか?

今回は「妊娠と血糖値の関係」と「インスリン注射を開始する血糖値の目安」「インスリンの打ち方」についてご紹介していきます。

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妊娠糖尿病の原因「インスリン抵抗性」って?

妊娠中の定期検診で「血糖値が高い」と言われたら不安になってしまいますよね?

血糖値というのは、血液中に含まれる「ブドウ糖の濃度」のことです。

通常、糖質(ご飯や甘いものなど)を食べると血糖値が上がります。

血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌され、血液中の糖が体内に取り込まれ、栄養となります。

と同時に、インスリンの働きによって、食後2時間ほどすると、上がった血糖値は食前の値へ下がります。

しかし、インスリンの働きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなってしまうと「高血糖」と診断されます。

妊娠糖尿病というのは、このように「血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなること」によって引き起こされるのですが、妊娠中は非妊娠時と比べて「インスリンの働きが低下している状態」です。

なぜなら、インスリンの働きを弱めることで、母体に取り込む栄養を減らし、その栄養を胎児へ回そうとするからです。

母体の体って、うまくできているのですね!!

インスリンの働きを弱めようとするホルモンを「インスリン抵抗性ホルモン」といい、インスリン抵抗性ホルモンは「胎盤」から分泌されます。

そのため、胎盤が完成する妊娠4ヶ月以降に入ると血糖値が上がりやすくなり、逆に、胎盤が完成する前の妊娠初期のうちは、インスリンの分泌が多くなっているそうです。

もし、妊娠初期に血糖値に問題がなかった方でも、妊娠中期や妊娠後期に入ってから血糖値が高くなることがあるため、出産を終えるまでは「誰でも妊娠糖尿病を発症する可能性がある」と言えます。

胎盤が完成する妊娠中期からインスリンの働きは低下していきますが、インスリン抵抗性ホルモンを上回るイスリンが分泌される方は、妊娠糖尿病にはなりません。

たとえ妊娠糖尿病になっても、出産と同時に胎盤が母体から排出されれば、高血糖は自然と治ってしまうことがほとんどです。

妊娠糖尿病はインスリンなしでも行ける?インスリンを打つ基準は?

妊娠糖尿病になった方の中には「どうしてもインスリンなしで乗り越えたい」と希望する方もいらっしゃるでしょう。

インスリンを使用するなんて「症状が悪いのではないか?」と怖くなりますよね?

もし、インスリンを使用したくないのであれば、まずは食生活の改善から始めてみてください。

血糖値を上げやすい糖質(ごはんや麺、イモ類、砂糖が含まれているもの)を控えめにし、食物繊維の多い野菜をたっぷり取って下さい。

また、一日のトータルの食事量が同じであれば、一日3食よりも、5食や6食の分食にした方が血糖値が安定します。

このような食生活と同時に、特別な制限がない場合は軽い運動を行うと、血糖値が下がりやすくなります。

例えば、ウォーキングやマタニティヨガ、ストレッチ、腕の筋トレなどはお薦めです。

(「妊娠中の血糖値が高いときの食事療法は?」に関連記事を書いています。)

食事と運動を行っても、血糖値改善の効果が見られない場合は、インスリン治療の必要性が出て来ます。

では、インスリンを打つ血糖値の基準はあるのでしょうか?

一般的に、

・空腹時血糖値 100以上

・食後1時間血糖値 140以上

・食後2時間血糖値 120以上

になってくると、インスリン投与が開始されるそうです。

実際に「食前の血糖値が100を超えてきた!」「食後2時間の血糖値が200近くなった!」「食後2時間経っても120以下に下がらない(泣)」という数値が見られるようになると、インスリンが開始されるケースが多いようです。

しかし、血糖値というのは、日々変動しており、朝と夜でも異なります。

ある特定の時間に測った数値だけを見て、インスリンを打つかどうかの判断を行うのは難しく、医師によっても考えは異なります。

まずは、毎日毎回、食前と食後の血糖値を測定し、その結果を見ながら医師と相談して決めることになりますので、インスリン治療を開始する決定的な血糖値の基準というのはないようです。

(「妊娠中の血糖値の数値が高い!120は危険?」に関連記事を書いています。)

妊娠糖尿病のインスリン注射は痛いの?単位とは?

妊娠糖尿病になり、食生活で血糖値コントロールが思うようにいかない場合は、インスリンを打つことになります。

「インスリン打つ」とは、文字とおり「自分でインスリンの注射を打つ」ということです。

インスリン注射は、太もも、お腹、お尻、など皮下脂肪の多いところに打ちます。

はたして、インスリンの注射は痛いのでしょうか?

通常、私たちが受ける予防接種や採血などに使用される針は「0.5ミリ~0.8ミリ」と太くて長いため、見ただけでも痛そうですし、実際に痛いですよね。

一方、インスリン注射の針は、とても細く、短く、出来ています。

種類によっては、針の太さが「0、18mm」と世界最細のものもあり、注射の痛みに関してはかなり改善されているそうです。

そのため「血糖測定器の注射よりも痛くない」という意見もあるほどです。

針を刺すわけですから、多少なりとも痛みはあるものの、痛みはわずかだと言えますので、怖がらずに使って頂きたいと思います。

インスリン治療が始まると、「◯単位を打って下さい」と言われると思います。

「単位」というのは、インスリンを投与する量のことを言います。

「1単位=40マイクログラム(=0.04mg)」です。

インスリン治療が開始してすぐは、2単位や3単位の少量から始めることが多いそうです。

しかし、妊娠後期に入ってくると自然と血糖値が上がりやすくなりますので、徐々にインスリンの単位が増えてくるケースが多くなります。

妊娠糖尿病の方の中には「2単位から始めて、最終的に20単位以上打った」という方もいらっしゃいます。

インスリンの量が増えていくと「妊娠糖尿病が悪化しているのではないか?」と不安になるかと思いますが、インスリンの単位が増えることより、しっかり血糖値をコントロールできていることが大切です。

インスリンの効き方にも個人差がありますので「何を、いつ、どのタイミングで、どれくらい食べると、血糖値にどんな変化があるのか」を毎回確認しながら、インスリンの量を調節していくようにしましょう。

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妊娠糖尿病のインスリン治療で危険なのは低血糖?

妊娠糖尿病の方は、インスリンを投与することで、血糖値のコントロールがしやすくなります。

「食事や運動を行っても血糖値が改善できない(泣)」と悩むより、最初からインスリン治療を行ったほうがいい、という意見もあります。

血糖値をコントロールするための治療薬には、飲み薬もあるのですが、妊娠中は胎児への影響を考えて経口薬は使用しません。

インスリンは、直接血液中に入り胎盤を通りませんので、胎児への影響がないとされていますし、妊娠中に使用されるインスリンの種類は、妊婦さんでも使用可能なインスリンに限られています。

インスリンには副作用がないとは言え、インスリンを使用する際に気を付けたいことがあります。

それは「低血糖」です。

低血糖とは、その名の通り「血糖値が下がり過ぎてしまう状態」を言います。

血糖値が70以下になると低血糖となりますが、血糖値は高すぎてもいけませんが、低すぎてもいけないのです。

低血糖になると、猛烈な空腹感、震え、冷や汗などの症状が現れますが、さらに低血糖が進むと意識を失って倒れたり、けいれん、昏睡などを起こし、命に危険が及ぶほどです。

インスリンを投与している方の場合、インスリンの量が多すぎたり、食事量が少なすぎたり、血糖値がそれほど高くないのにインスリンを投与してしまうと、血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こしてしまいます。

インスリンを使用する際は、

・必ず血糖値を測ってから使用する

・インスリンを使用している際は食事を抜かない

・低血糖の症状が現れたときのために、チョコレートやジュースなどを携帯しておく

ということを忘れないでくださいね。

まとめ

妊娠中の血糖値の基準値というのは、非妊娠時よりも厳しくなっているため、妊娠糖尿病と診断される人は10人に1人という割合になっています。

ごはんやスイーツをたくさん食べても血糖値が安定している方もいれば、どんなに食事をコントロールしても血糖値が上がってしまうという方もいらっしゃるでしょう。

私も日々血糖値を測定していますが、同じような食事をしても血糖値の上がり具合が毎回異なりますので、血糖値というのは食事以外にも様々な要素が影響しているのだと思います。

血糖値は、体質や環境など個人差が大きいので、誰かと比較して思い悩むのはやめましょう!

悩んでも血糖値は下がりませんし、ストレスでさらに血糖値が上がってしまいますよ!

出産を終えるまで、食事コントロールやインシュリン注射を打つのは辛いことだと思いますが、赤ちゃんのために妊娠糖尿病を乗り越えることができたら、それはあなたにとっての自信につながると思います!

「血糖値が高いのは、赤ちゃんへ栄養を送るため!」と思って、もう少しの間頑張って下さいね!

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