「妊娠してから歯が痛くなった・・・」という方はいらっしゃいませんか?
「妊娠すると虫歯になりやすい」といわれますが、残念ながらそれは事実であり、妊婦さんは虫歯になりやすいのです。
しかし、妊娠中の歯の痛みは「必ずしも虫歯が原因ではない」のをご存じですか?
妊娠中の歯の痛みには、虫歯以外にどのような原因が考えられるのでしょうか?
今回は「妊婦さんが虫歯になりやすい原因」と「虫歯が原因ではない歯の痛み」についてご紹介していきます。
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妊娠中に歯が痛くなる原因は?
妊娠してからというものの、「なんだか歯が痛い…」と憂鬱になっていませんか?
歯が痛いというと「虫歯」を疑いますが、歯痛の原因は虫歯だけではありません。
例えば、歯肉炎などの「歯周病」や「疲れ」によって歯が痛くなることもあります。
このほか「免疫力の低下」「ストレス」「歯ぎしり」などが痛みを引き起こしていることもありますし、単に「歯と歯の間に食べかすが詰まっている」場合もあります。
私はなぜか、寒い中で長時間過ごし、体が冷え切ってしまうと歯が痛くなります・・・。
歯の痛みというのは、チクチクしたり、ズキズキしたり、ガンガンしたり、歯が浮くように感じたり、感じ方は人それぞれです。
一日中痛むこともあれば、何かのきっかけで痛みを感じたり、夜になると歯が痛くなるというケースもあるようです。
いずれにせよ、歯の痛みというのはストレスになりますし、原因がわからずに放っておくのは不安ですよね?
歯の痛みがひどくなると食事も楽しめないですし、食欲が失せてしまうと赤ちゃんへの栄養が不足する原因にもなりかねません。
まずは、歯の痛みの原因を知り、治療を要するものかどうかを判断する必要があります。
(「妊娠中の歯肉炎の治し方!原因と予防法は?」に関連記事を書いています。)
妊娠すると虫歯になりやすいのは本当?
「妊婦さんは虫歯になりやすい」と言われるのを聞いたことがありますが?
私は「妊娠すると、赤ちゃんへカルシウムが取られるから歯が弱くなる」とか「子供を一人生むと歯を一本失う」というのを聞いたことがあります。
妊婦さんは虫歯になりやすいのは事実だそうですが、その原因は「赤ちゃんへカルシウムが奪われるから」ではないそうです。
妊婦さんが虫歯になりやすいのは、妊娠中のホルモンの変化、つまり「体質の変化」が原因だそうです。
妊婦さんが虫歯になりやすい原因はこちらです。
<ホルモンの変化>
・妊娠すると女性ホルモンが増加しますが、女性ホルモンの影響によって唾液の分泌量が減ります。唾液には殺菌効果がありますので、唾液が減ることで口内細菌が増えてしまいます。
・女性ホルモンの影響によって、唾液がネバネバした唾液に変化します。ネバネバした唾液は、食べかすを取り除くことが難しいため、食べかすが残りやすくなります。
・女性ホルモンの影響により、唾液が酸性になります。酸性になると、自浄作用が低下します。
・女性ホルモンは歯茎の中まで行き渡っています。歯周病菌は女性ホルモンを好んで餌としますので、歯周病菌が増殖しやすいのです。
<免疫力の低下>
・妊娠中は、おなかの赤ちゃんを「異物」とみなさないよう、免疫力が低下します。そのため、細菌に感染しやすいうえ、細菌が繁殖しやすい状態です。
<つわり>
・つわりのときは、味覚が変化し、酸っぱいものを好むことが多くなります。口内が酸性になると、虫歯になりやすくなります。
・つわりで嘔吐すると胃酸が逆流します。そのため胃酸で歯が溶かされてしまい、虫歯の原因となります。
・つわりで気分が悪いと、歯磨きすらできなくなります。つわりの時期は、歯磨きをする回数が減ってしまいます。
・食べづわりで食事の回数が増えたり、甘いものばかり好んで食べるなど食生活の変化も、虫歯の原因となります。
このように、妊娠中は虫歯や歯肉炎になるリスクが高くなりますので、自宅でできる本格的な虫歯・歯肉炎予防ケアを取り入れるといいと思います。
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妊娠初期症状?虫歯じゃないのに歯が痛いのはなぜ?
妊娠中の歯の痛みの原因はさまざまです。
そして妊婦さんは虫歯や歯周病にかかりやすいため「歯が痛い=虫歯or歯周病」である可能性は高いと考えられます。
しかし、妊婦さんの中には「歯が痛いのに、歯医者へ行っても虫歯が見つからない」という方もいらっしゃいます。
「虫歯じゃないのに歯が痛む・・・」これは妊婦さん特有の症状であり、「妊娠性歯痛」というものです。
妊娠性歯痛は、女性ホルモンの増加によって引き起こされるものであり、妊娠初期(妊娠5カ月)までによく見られる症状です。
妊娠によって増加した女性ホルモンは、歯の中にある血管の中にも増加します。
そのため、歯の中の血管が膨張し、歯の神経を圧迫してしまうため、痛みが生じるのだそうです。
もうひとつ、虫歯ではない歯の痛みの原因に「歯の靭帯のゆるみ」があげられます。
妊娠中期に入ると、出産にむけて体の靭帯がゆるみ始めます。
このとき、歯の靭帯も緩むため、歯の痛みを感じることがあるのです。
このような妊娠特有の歯の痛みの場合は、出産すれば自然と治まるので心配いりません。
歯の痛みはつらいですが、生理現象として受け入れ、できる限り鎮痛剤など薬は飲まないようにしましょう。
妊娠中の歯の痛みを改善するには?
妊娠中の歯の痛みが虫歯や歯肉炎であれば、その原因を取り除くことで痛みをなくすことができます。
しかし、痛みの原因が虫歯ではなかった場合、どうすればいいのでしょうか?
妊娠中の虫歯ではない歯痛の原因は、ホルモンバランスによるものですから、出産するまで痛みの原因をなくすことができません。
妊娠性歯痛を少しでも軽くするには、痛みへの対処と日常生活に気を付けてみてください。
まず、歯痛があるときは、歯が痛むところを冷やすようにしましょう。
できる限り、薬の服用は控えるようにしてください。
そして、妊娠性歯痛が悪化しないよう、ホルモンバランスが乱れない生活を心がけてください。
例えば、睡眠不足に気を付ける、疲れたらしっかり休み免疫力を下げないようにする、ストレスをためないようにするなど・・・。
妊娠によるホルモンバランスの変化は、自力ではどうすることもできません。
「出産までは仕方がない」と受け入れ、リラックスすることも必要です。
まとめ
私は妊娠中、虫歯にはなりませんでしたが、つわりがひどかったために、歯磨きが苦痛でした。
もちろん歯磨き粉は使えなかったですし、マウスウォッシュはもってのほかでした・・・。
おなかがすくと吐き気がしたので、日中はちょこちょこ食いをしたり、夜中もベッドの中でおにぎりを食べたりしていたので、口内環境はとても悪かったと思います。
「きれいに歯磨きを」と言われても、つわりの時期は正直無理ですよね?
体調が優れない時期は、歯磨きができなくても仕方がないと思いますので、一日に一回は歯磨きをしたり、水でうがいだけでも行うよう、できることからやっていきましょう。
それにしても、歯の中や歯茎の血管の中にまで、女性ホルモンが行き渡るのは驚きですよね!?
そして、出産にむけて歯の靭帯までゆるんでしまうとは!?
妊娠と出産で、女性の体は全身に渡って大きく変化することを、改めて実感させれました。
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