早産児の障害リスクの確率とその後の成長は?

「早産」と言うのは、赤ちゃんが胎内で十分に発達する前に、何らかの原因によって早く生まれ出てきてしまうことを言い、妊娠22~37週未満の出産を指します。

赤ちゃんが未発達であるということは、それだけ赤ちゃんにとって身体的なリスクが大きいということです。

もちろん、早産だからと言って、すべての赤ちゃんに健康上・発達上の問題が起こるわけではなく、大部分の赤ちゃんは元気に成長しています。

しかし、早産の赤ちゃんは「障害のリスクが上がる」というのは事実です。

早産児に起こる障害には、どのようなものが考えられるでしょうか?

また、早産というのは、赤ちゃんのその後の成長にどんな影響があるのでしょうか?

今回は「早産が及ぼす赤ちゃんへのリスク」や「早産児の体重増加やその後に成長」についてご紹介していきます。

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早産の障害やリスクにはどのようなものがある?

早産で生まれた場合、赤ちゃんにはどのようなリスクがあるのでしょうか?

必ずしも障害が残るわけではありませんが、親としてどんなリスクがあるのかを知っておく必要があります。

<脳>

脳の発達が遅れていると、脳内出血や脳性まひ、知的障害を起こすリスクが高まります。

<心臓>

心臓が未発達のまま生まれると、心不全を起こすリスクがあります。

<肺>

34週未満に生まれた赤ちゃんは肺の機能が未熟です。

肺が未熟だと、無呼吸、肺炎などの肺の疾患のリスクが高くなります。

脳への酸素が不足すると、脳の障害につながります。

自分で呼吸ができない場合は人工呼吸器をつける必要があります。

<消化器>

腸が未発達だと、腸への血流が悪くなり腸炎を起こしたり、肝臓が未発達だと黄疸が強く出ることがあります。

また、母乳を飲む力が弱く、自分で栄養を取れない赤ちゃんは、胃にチューブを入れて栄養を送るようにします。

また胃が未熟で小さいため、母乳をミルクを飲めるようになってもすぐに吐いてしまいます。

<目>

目の網膜が発達するのは、妊娠36週目くらいです。

そのため、36週より早く生まれた赤ちゃんは、未熟児網膜症という目の異常が多く見られます。

そのほか、斜視などの目の障害のリスクが高くなります。

<免疫>

母体から赤ちゃんへ免疫が届けられるのは、妊娠後期だそうです、

そのため、早産の赤ちゃんは免疫がついておらず、感染症にかかるリスクが高くなります。

赤ちゃんが自力で栄養を取れるようになったら、免疫力と栄養の宝庫である母乳を、できる限り届けてあげて下さいね。

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早産によるリスクは週数で異なる?障害なしは何週から?

早産による赤ちゃんの生存率や障害の発生率は、妊娠週数と出生体重によって異なります。

赤ちゃんへ障害が発生する確率を「出生体重別」で見てみると、

・1000g以下    10~20%

・1000~1500g 5~10%

・1500g以上    5%以下

となります。

つまり、出生体重は大きければ大きいほど、赤ちゃんの障害に対する不安が少なくなるということです。

しかし、体重が重たくなれば安心というわけではありません。

赤ちゃんの体や臓器は、妊娠週数によって作られる箇所が異なるからです。

「妊娠週数」で見た場合、大きく二つに分けることができます。

・28週目

28週目までは赤ちゃんの臓器だけでなく免疫機能も未熟なため、後遺症などのリスクが高い時期です。

28週を過ぎると、赤ちゃんの生存率も高くなります。

・34週目

34週目を過ぎると、赤ちゃんの肺の機能が整うため自分で呼吸ができるようになります。

34週目を過ぎれば、さらに障害のリスクが低くなり「ひとまず安心」と言えそうです。

もちろん、34週目以降であっても、体重や臓器が未発達であることに間違いはないので、リスクがゼロになるわけではありません。

(「早産とはいつからのこと?生まれても大丈夫な週数は?」に関連記事を書いています。)

早産児のその後の成長や体重増加は?

早産児のリスクはたくさんあるのは事実ですが、このようなリスクを抱えながらも無事に生まれてきた赤ちゃんは、その後どのように成長していくのでしょうか?

赤ちゃんは生まれたときの体重によって、

2500g未満 >> 低出生体重児

1500g未満 >> 極低出生体重児

1000g未満 >> 超低出生体重児

と区別されます。

出生体重が小さければ小さいほど、体の機能が発達していないために、体重の増え方が緩やかです。

一般的に、赤ちゃんは出生体重から体重が減少する「生理的体重減少」が起こるため、出生体重まで戻るのに1週間ほどかかるのですが、出生体重1500g未満の赤ちゃんの場合は、出生体重まで戻るのに2~3週間かかってしまうのです。

また、早産児の場合は、新生児特別集中治療室で赤ちゃんの成長を見守っていくことになりますので、出産後赤ちゃんだけ入院することになります。

出生後、ママと一緒に退院することができません。

赤ちゃんが退院できるのは、

・体重が2500gに達する

・自力で呼吸ができる

・自力で体温を保てる

ことが条件となります。

そして、退院後の早産児の成長は、周りの赤ちゃんと比べて体重が少ないため「修正月齢」で見ていく必要があります。

修正月齢とは、「本来赤ちゃんが生まれた日を生後0日と数えるのではなく、出産予定日を生後0日と数える」ことです。

例えば、赤ちゃんが出産予定日より3か月早く生まれたとしたら、生後4か月の時点における修正月齢は生後1か月となります。

早産児の体の発達について気になるところですが、早産児の体重増加は、成熟児に比べてゆっくり目ではあるものの、時間の経過とともに成熟児と同じようになります。

一般的には、3歳くらいから成熟児の体重に追い付くようになり、6歳頃にはその差がほとんどなくなり、9歳になる頃には体重だけでなく機能や発達も、成熟児に追いつくようになって来ることが多いようです。

(「早産を予防するには?薬・手術・注射もある?」に関連記事を書いています。)

余談ですが、近年になって、日本における低出生体重児は増加しています。

低出生体重児は、30年前は全体の3%であったのに対し、近年では9%まで増加しています。

低出生体重児の世界平均は約7%ですので、日本は世界の中でも低出生体重児が多い国だということがわかります。

この原因は、不妊治療による多胎妊娠の増加や、医療が発達したことによって早産児の生存率が増えたことがあげられますが、体重増加を気にする妊婦さんの栄養不足も原因の一つだと考えられます。

生まれてきた赤ちゃんのその後の成長のために、くれぐれも妊娠中の食事制限によるダイエットはしてはいけませんよ!

まとめ

早産の赤ちゃんにはさまざまなリスクが付きまとうのは事実ですが、現在の医療は進んでいますし、小さく生まれても後遺症や障害なしに、元気に成長している子がたくさんいるのも事実です!

生まれたときは、もちろん体も小さいですし、内臓も未発達なため、成長の遅れがあるのは当然です。

しかし、1歳、3歳、6歳と年齢を追うごとに、周りの子と同じような成長を遂げるものです。

早産だからと悲観的に考え過ぎず、まずは母親としてできることを精一杯やりましょう。

あなたができることは、早産を防ぐためにできることはやっておく、そしてもし早産で生まれてきたのであれば、その子の発達を周囲と比較せずゆっくり見守ってあげる、そして何より、その子の生命力を信じてあげることではないでしょうか?

早産で生まれて来たのは、それなりの意味があるのです。

赤ちゃんはあなたを選んで生まれてくるのですから!

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