妊娠中は、お腹の赤ちゃんに栄養を届けるために、母体の血液量が増加することから、貧血になってしまうことがあります。
貧血になってしまうと、食事だけで貧血を改善することは難しいため、「鉄剤」を処方されることがほとんどです。
鉄剤には、食べ物やサプリメントとは比べものにならないくらい多くの鉄分が含まれていますので、貧血を改善するために役立ちます。
しかし、鉄剤には、副作用があるのも事実です。
鉄剤の副作用にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、鉄剤の副作用が辛い時、どのような改善法があるのでしょうか?
今回は、鉄剤の副作用の詳細と改善策について、調べてみました。
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妊娠中の頭痛や吐き気は貧血のせい?!
妊娠中期に入り、お腹が大きくなってくると、ちょっと動くだけでも「動機」や「息切れ」がしたり、すぐに「疲れやすく」なったり、原因不明の「頭痛」が起きることはありませんか?
また、大きくなった子宮によって胃を圧迫されることから、「吐き気」や「ムカムカ」「胃もたれ」に悩まされることがあるでしょう。
このような、疲労、頭痛、吐き気は、妊婦中は誰でも起こりやすいのですが、「妊婦だから仕方がない…」と放っておくのはよくありません!
その体調不良の原因は、「貧血」によるものかもしれないのです!
妊娠中の貧血は、妊婦健診で行う血液検査でわかります。
妊娠性鉄欠乏性貧血の基準は、「ヘモグロビンが11g/dl未満」とされています。
もし、病院で貧血と診断された場合は、貧血を改善するために、どのような治療を行っていくのでしょうか?
(「妊娠中の貧血はいつから?貧血の原因は?」に関連記事を書いています。)
妊娠中の貧血の薬って?どんな名前?
妊娠性鉄欠乏性貧血は、食事やサプリメントだけで改善するのは難しいと考えられます。
そのため、貧血と診断された場合は、鉄剤のお薬を処方されます。
多くの妊婦さんは、「フェロミア」という鉄剤のお薬を処方された経験があるのではないでしょうか?
フェロミアは、比較的副作用が少ないので、妊婦さんによく処方されるお薬だそうです。
フェロミアには、50mg~100mgの鉄分が含まれており、毎日1~2錠(鉄量で100~200mg)服用することになります。
しかし、フェロミアを服用したからと言って、すぐに貧血が改善されるわけではありません。
最低でも1ヶ月、一般的には2カ月くらいは服用を続けないと、効果が現れて来ないそうです。
すぐに効果が出ないからと言って、自己判断で薬の服用をやめてしまうと、貧血が悪化してしまいます。
貧血のまま出産を迎えると、難産に繋がる可能性があり、危険です。
貧血の薬で気持ちが悪くなる?
フェロミアに限ったことではありませんが、「鉄剤の薬を飲むと気持ちが悪くなる」という方がいらっしゃいます。
例えば
・鉄剤を飲み始めたら、胃が痛くなり、食欲がなくなった
・鉄剤を服用後、1時間ほど経つとムカムカして、吐いてしまった
・鉄剤のせいで吐き気がひどく、眠れない
・寝込むほど辛い
などの症状が出ることがあります。
これは、鉄剤の副作用によるものです。
あまりの辛さに「もう飲みたくない!」と感じる方や、「鉄剤を飲んでもすぐ吐いてしまうので、服用している意味がないのではないか?」と不安に感じる方もいらっしゃるようです。
このような鉄剤による吐き気や嘔吐は、鉄分が胃腸の粘膜を刺激することが原因です。
胃が弱っているときは、鉄分が吸収されにくいため、「鉄剤で胃が荒れる⇒鉄分が吸収されにくくなる⇒貧血が改善されにくい」という悪循環に陥ってしまう可能性があります。
貧血の薬で下痢や便秘になることも?
鉄剤の副作用は、吐き気や嘔吐だけではありません。
鉄剤を服用している方の中には
・便秘になる
・下痢になる
・便が黒くなる
という方もいらっしゃいます。
このような便秘や下痢の症状は、鉄剤が胃腸の粘膜を刺激することによって起こります。
下痢がひどくなると、鉄剤の効果が薄れてしまうこともあるそうです。
便の色が黒くなるのは、鉄分の色によるものです。
鉄剤を服用しなくなれば、便の色は元に戻りますので、心配はいりません。
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吐き気や便秘の副作用を軽減するには?
鉄剤の副作用は、思いのほか辛いものです。
鉄剤による、吐き気や便通の異常を軽減するには、どうしたらいいのでしょうか?
まず、吐き気の対処法ですが、鉄剤を空腹時に飲むと、吐き気やムカムカの症状が現れやすくなります。
必ず食後に飲むようにして下さい。
食前に、胃の粘膜を保護する働きのある牛乳を飲んでおくのも、一つの方法です。
冷たい牛乳は、胃に刺激となる可能性があるので、温めた牛乳を飲むようにして下さい。
鉄分が強化された牛乳を飲むと、貧血対策にもなります。
吐き気や胃痛が激しい場合、胃薬を処方してもらうのもいいでしょう。
市販の胃薬ではなく、医師から処方された胃薬を服用してください。
鉄剤は、食後に服用するものですが、寝る前に服用してもかまいません。
寝ている間に、吐き気を乗り越えられるのであれば、鉄剤を服用したらすぐに寝てしまいましょう。
便秘に関しては、水分を多めに取るよう、心掛けて下さい。
これらの対策をとっても、副作用が軽減されない場合は、医師に相談し、薬の量を減らしてもらったり、薬の種類を変えてもらうこともできます。
私は、フェロミアの副作用がひどかったので、子供用シロップに変えてもらったところ、まったく副作用が出なくなりました。
甘くて飲みやすいので、出産まで続けられました。
鉄剤の副作用が辛いからと言って、鉄剤を飲まず、貧血を放置しておく方が危険です。
何かしら改善策はありますので、副作用が辛いときは、医師に相談して下さいね。
鉄剤は飲むだけではない?注射を打つことも?
貧血の治療として一般的なのは、鉄剤の薬を服用することです。
しかし、
・薬を継続できないほど副作用がある
・服用後に嘔吐してしまうため、貧血が改善されない
・下痢がひどく、鉄剤の効果が得られにくい
・貧血の程度がひどい
このような場合は、鉄剤の「注射」を打つことがあります。
注射の場合、吐き気や下痢などの副作用がないというメリットがありますが、毎日注射に通わなければならないというデメリットもあります。
鉄剤の注射は誰でも受けられるわけではなく、鉄剤を飲めないくらい副作用が強い方や、重度の貧血の方のみです。
しかし、副作用で苦しんでいるのあれば、注射という選択肢があるのも事実ですので、ご希望であれば医師に相談してみて下さい。
鉄分の過剰摂取に注意?
貧血を改善するために鉄剤の薬や注射の治療は、効果的です。
しかし、鉄剤はたくさん摂ればいいというわけではありません。
鉄剤を過剰摂取すると、健康に悪影響を及ぼします。
鉄剤を摂り過ぎると、糖尿病や肝硬変などの内蔵疾患に繋がる危険があるそうです。
早く貧血を治したいからといって、鉄剤をたくさん飲んだり、一度にたくさん摂取しないようにして下さい。
注射の場合は、貧血の程度によって、通院の回数や投与する量が異なります。
鉄剤であれ、点滴であれ、医師から指示された処方を守るようにして下さいね。
まとめ
鉄剤の薬を飲むと、気持ちが悪くなるのですよね・・・。
私も第一子のときは、フェロミアの副作用に苦しみました。
もともと便秘だったのが、さらに悪化してしまい、下剤がないと出ないくらいでした。
そんな副作用に懲りた私は、第二子以降に「貧血」と診断されたときは、シロップを処方してもらっていました。
シロップは、子供用なので効き目が弱いというデメリットはありますが、幸い私には副作用が出なかったので、まったく苦しむことなく、鉄剤の薬を飲むことができました。
貧血を放っておくのはよくありませんが、鉄剤を摂り過ぎることもよくありません。
自分の体調とお医者様に相談しながら、貧血を乗り切って欲しいと思います。
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